次の文章を読んで、[ 1 ]から[ 5 ]の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
私の記憶の中の父は、いつも不機嫌そうに母に文句を言っている姿だ。
私に対してもそれは同じで、幼い頃から、箸の上げ下ろしといった行儀作法はもちろん、言葉遣い、目上の人に対する態度、物事に対する姿勢[ 1 ]、厳しくしつけられたものだった。私が学校で級友たちに泣かされて帰ってきた日には、「男子[ 2 ]、人前で涙など見せるものではない!」と怒鳴られ、家に入れてもらえなかったこともある。
家族に限らず、相手が誰[ 3 ]、自分の気に食わないことには決して首を縦に振らず理不尽なことに対しては徹底的にたたかうその性格が災いし、父は家の外でもしばしば敵を作っていたようだ。
それ[ 4 ]、母は誰からも慕われ、また母自身も愛情深い人だったので、扱いにくい父の顏をうまく立てながら明るい家庭を作ろうと懸命だったのだと思う。
いつか母に、「どうして父のような男と結婚したのか」と聞いたことがある。お見合い[ 5 ]、父と母は恋愛結婚だったのだ。そのとき、母はちょっと黙って、そして恥ずかしそうにこうつぶやいたのだ。
「ハンサムだったのよ」
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